聖日礼拝メッセージの要約(2023. 8. 6.)
「歩み出す力」
ヨハネによる福音書 5章1〜9節
イエスは彼に言われた、「起きて、あなたの床を取りあげ、そして歩きなさい」。すると、この人はすぐにいやされ、床をとりあげて歩いて行った。 その日は安息日であった。(ヨハネ5:8〜9)
1、ベテスダの池のほとりで
エルサレムのベテスダと呼ばれる池には、その池の水が動く時に真っ先に入った者は癒されるという迷信があり、大勢の病人はそれを信じて、池のほとりに集まっていました。その中に、38年もの間、病気にかかり、立ち上がることができない人がいました。その人もその迷信を信じて、池の中に飛び込もうとしていましたが、他の人たちにいつも先を越され、横たわるほかなかったのです。これは、自分の力で律法を守らなければ救われないという律法主義を象徴しています。神の恵みを無視し、否定するという救いのない世界をあらわしているのです。
2、主イエスの問いかけ
主イエスは、その人をご覧になって、「なおりたいのか」と問われました。ベテスダの池に来ているのですから、この人はなおりたいと願っているはずです。しかし、38年もの年月は、「なおりたい」という願いを素直に口に出来ないほどに、彼の希望を奪っていました。私たちも、神の恵みがなければ、罪の中にあって自分では抜け出すこともできず、その中にへたりこみ、立ち上がることも、歩み出すこともあきらめるほかない、霊的には死んでいた者たちです。しかし、主イエスは、そのような私たちに目を留めて、近づき、声をかけてくださいました。これこそが神の恵みの世界であるのです。
3、キリストにある歩み
主イエスは、この人に対して、「起きて、あなたの床を取りあげ、そして歩きなさい」と言われました。主イエスのみことばを信じたこの人は、すぐにいやされ床を取り上げて歩き出しました。これは、人間を罪から救い出し、新しいいのちによって立ち上がらせ、歩ませる力は、主イエス・キリストにあることを示しています。38年というのは、かつてイスラエルの⺠が不信仰によって荒野を旅した年数です。私たちは、信じない者にならないで、信じる者として生きていきましょう。キリストのみことばを信じて、私たちを救い、私たちを立ち上がらせ、歩ませてくださるキリストを見上げて、キリストとともに歩み続けていきましょう。